OSPF

【図解/OSPF】LSA Type3 (Network Summary LSA)のフォーマットと詳細

OSPFv2 LSA Type3 のフォーマット

OSPFv2 において使われる LSA Type3 (Network Summary LSA) のフォーマットを以下に示します。

LSA Type3 は ABR がエリア外にルート情報を渡す際に利用します。

もう少し具体的に言うと、Area0 と Area1 の境界の ABR があったとして、Area0 の LSA Type1 と Type2 から生成されたルート情報を、Area1 に LSA Type3 という形に変換して情報を配信します

OSPF ではエリア内のルートは Type1 と Type2 を使って頑張って詳細地図を作りますが、エリア外のルートはディスタンスベクタ型として動作し、コスト情報のみを扱う Type3 で手抜きします

同様に、Area1 の LSA Type1 と Type2 から生成されたルート情報を、Area0 に LSA Type3 として情報を配信します。

Age

その LSA が生成されてから現在までの時間 (単位:秒) です。LSDB にいる間 1 秒につき 1 が加算されます。また、LSA が他のルータへ送られる際、"InfTransDelay" の設定値の分だけ加算されます。

Options

詳細はこちらに記載します

LSA Type

その名の通り、LSA Type を表します。今回は 3 です。

Link State ID

Type3 の場合はルート情報として伝達する NW アドレスが入ります。

Advertising Router

その LSA を生成したルータのルータ ID が入ります。

Sequence Number

新しい LSA インスタンスが生成されるたびに 1 ずつ増え、全てのルータが 最新の LSA インスタンスを識別できるようにします。

Checksum

Fletcher チェックサムを利用しており、Age 以外の部分の bit エラーが無いかを確認します。

Length

ヘッダ長を含めた LSA 全体の長さ (単位:オクテット) を表します。

Network Mask

Link State ID の NW アドレスのサブネットマスクを表現します。

メトリック

その NW アドレスの Advertising Router (LSA type3 の生成ルータ=ABR) からその NW アドレスまでのコストが入ります。この値は伝播中に変化しません。

複数の ABR が同じ NW アドレスの LSA Type3 を流している場合は、LSA Type3 のコスト (メトリック) と、その生成ルータまでのコストを足し算したものを比較し、近いほうをルーティング情報として採用します。

ToS と ToS メトリック

LSA Type1 と同様です。

LSA Type1~3 が生成されるルータ

以下の例で、LSA Type 1~3 が生成されるルータを示します (LSA Type4、Type5の生成については非表示です)。あくまで LSA を生成するルータのみを示しています。

生成された LSA はエリア内に伝達されます (LSA Type3 は さらにエリアを越えて伝達されます) が、この絵ではそこまでは表現されていません。

Totally NSSA エリアにおいては R3 で通常の LSA Type3 の代わりに、デフォルトルートのLSA Type3 が生成されます。

また、LSA Type3~5 は Area0 を経由しないとエリアを跨げません。しかし Virtual Link により R3 上に Area0 ができているので R3 は Area34 の情報を Area23 に渡すことができます。

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