Shortest Path Bridgingとは

Shortest Path Bridging(SPB)は、2012年にIEEE802.1aqとして規格化されたNW技術です。主にキャリアEthernetサービス(例えばNTTのビジネスイーサ等)の網内をL2レベルで冗長および負荷分散(マルチパス)する、という課題解決策として発明されました。ですが社内NW網への適用も可能で、STPやリンクアグリゲーションの代替技術としても見ることができます。

複数のスイッチを仮想的に1つの大きなスイッチとみなすことができるため、オーバーレイ方式の仮想NW技術と見ることもできます。また、プロビジョニング(利用準備)や 設定変更の容易性から、SDNに分類する向きもあります。

SPBスイッチ同士が隣接して接続されると、SPBスイッチ間で情報交換を行います。情報交換はIS-IS (Intermediate System to Intermediate System)を拡張して(RFC6329で定義)用いています。IS-ISが伝達可能な情報はIPv4やv6、OSIだけでなく、「汎用的な定義が可能=属性の拡張が容易」であったため、SPBへの実装に適していたためです。

IS-ISはOSPFと同様、エリア内ではトポロジ情報を共有して最短パスを計算、エリア間ではディスタンスベクタ方式で ルートコストを計算しますが、SPBにおいてはそのSPBドメイン内は同一エリアとして扱います。IS-ISはもともと ルーティング情報を決定するためのものですが、SPBにおいてはL2レベルのMACアドレスの経路情報を決定します。

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また、IS-ISの利用に当たってはSPBの情報だけでなく、従来通りのIPやIPv6、OSIアドレスの伝達も同時に可能であることが 規格で記載されています。ただし、SPBについてはエリアを越えることは(少なくとも今は)想定されていませんので注意が必要です。

SPBではSPBスイッチ間のMACアドレスの情報伝達を、IP(IPアドレス)ではなく(IS-ISと同じく)OSI(NSAPアドレス)によって行います。NSAPアドレスはエリアIDとSystem IDから成ります(ルータ本体を表すNSELは00で固定)が、System IDはMACアドレスが利用されるため、自動で一意なアドレスを生成できます。そのため機器の実装によっては、SPBを有効化すれば細かい設定を投入せずともSPBドメインを築くことも可能です

SPBドメインにおいてはノードAからノードBへのユニキャスト通信経路(SPT=Shortest Path Tree)は、ソースがノードBであるノードAへのマルチキャスト 通信経路と同一のものになり、また、往復経路も同一となります。これによりユニキャストおよびマルチキャストのパケット到着順序を、送信した順番通りにさせることができます。このあたりが同様の規格化を目指しているTRILLとは異なり、SPBを特徴付けるポイントの1つとなります。

また、SPBはIEEE802.1ag規格であるCFM(Connectivity Fault Management、到達性管理)をサポートしており、例えばL2pingや L2tracerouteといったものでL2レベルの通信到達性、通信経路を確認することができます。

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SPBの種類

SPBは実は2種類存在します。

IEEE802.1qをベースにしたSPB-VID(SPB-V)と、IEEE802.1ah(Mac-in-Mac)をベースにしたSPB-MAC(SPB-M)です。

歴史的にはSPB-Vのほうが古いですが、SPBドメインのBackboneスイッチでのクライアントMACアドレスの学習が不要であること、効率的なマルチキャストの実装が容易であることなどから、SPB-Mがとりわけ注目されており、SPB-Vを実装した機器はあまりみられません。

SPBの先駆け的存在のAvaya、Alcatel Lucent、HP、HuaweiもSPB-Mを推しています。

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