ip default-gateway
Ciscoのコマンドで "ip default-gateway" というコマンドが用意されています。これは "ip route 0.0.0.0 0.0.0.0" とはどう違うのでしょうか。
この答えは簡単で、ルーティングの設定が出来ないL2スイッチには "ip route" コマンドが使えないので、"ip default-gateway" を使うのです。
L2スイッチは通常はインタフェースから入ってきた通信を他のインタフェースへスイッチングするのが主な仕事ですが、telnet や ssh, syslog, ntp, snmp等、管理系の通信を行う際は自らが通信を生成します。
スイッチングはMACアドレステーブルを使いますが、管理系通信は一般的なPC等と同じようにルーティングテーブル(デフォルトゲートウェイ)を使います。前述の通り、他から来た通信のルーティングは出来ないので、自発パケット専用のルーティングテーブルになります。
ip default-network
このコマンドで設定したネットワークアドレスは candidate default と認識され、デフォルトゲートウェイとなります。これは古いコマンドですのであまり利用シーンはありませんが、例えばルータBを以下のように設定したとします。
この設定はクラスレスアドレスは不可ですので必ずクラスフルネットワークアドレスを設定します。
そしてルータBのルーティングテーブル上で、この192.168.10.0 が有効なエントリとして乗れば、"Gateway of last resort is *** to network ***" と表示され、RIPやEIGRPの隣接ルータにデフォルトルート(0.0.0.0/0)を送ることができます。
つまり、再帰ルーティングとして 0.0.0.0/0 への NextHop を192.168.10.0/24 に設定しているようなものです。
なのでルータB はもし 192.168.10.0/24 へのルートが無くなった場合はデフォルトルートが無くなり、# show ip route では "Gateway of last resort is not set" と表示されます。
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