OSPFv2 LSA Type7 のフォーマット
OSPFv2 において使われる LSA Type7 (NSSA External LSA) のフォーマットを以下に示します。
LSA Type5 と同じフォーマットになります。
意味合いが異なるフィールドは Forwarding Address のみです。
Forwarding Address には、再配布する ASBR の中で OSPF が有効になっているインタフェースの IP アドレスが入ります。
OSPF が有効になっている Loopback アドレスがあれば、それが優先され、複数ある場合は一番高い IP アドレスが優先されます。
例えば以下の構成の場合、R3 の Loopback 0 インタフェースの IP アドレスがセットされます。
もし Loopback インタフェースで OSPF が有効になっていない場合は、例え Loopback アドレスがルータ ID になっていてもそれは採用されず、10.0.35.3 がセットされます。
この Type7 は Area0 に入るタイミングで Type5 に変換されます。先ほどの構成例の場合、R1 の Type5 は下記のようになります。
area XX nssa translate type7 suppress-faコマンドの使い方
ここで 1 つ実験します。
R3 の Loopback アドレスを R2 のフィルタ設定で Area23 から Area0 に入るのを止めてみます。
Cisco の場合は R2 で「filter-list」や 「area 23 3.3.3.0 255.255.255.0 not-advertise」を設定して止めます。
すると R1 では、ルーティングテーブルから 3.3.3.0/24 だけでなく、4.4.4.0/24 も消えてしまいます。4.4.4.0/24 の LSA type5 が LSDB にあるにも関わらずです。
これは Forwarding Address があるのに、その Forwarding Address までのルート情報が無いためです。
この場合は、Forwarding Address を 0.0.0.0 にする必要があります。
そうすることにより、前の記事の通り、ルートが伝わってきた R2 を NextHop としてセットします。
Cisco の場合は R2 で以下コマンドを打ちます。
(config-router)# area 23 nssa translate type7 suppress-fa
これにより、R2 で Type7 から Type5 へ変換する際に Forwarding Address を 3.3.3.3 から0.0.0.0 へ変換することができ、R1 のルーティングテーブルに、 3.3.3.0/24 だけを消し、4.4.4.0/24 を載せることができます。
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