RSSI と SNR の目安
RSSI の目安は -70 dBm 以上、SNR の目安は 20 dBm 以上です。
RSSI とは?SNR とは?
RSSI とは電波の強さ
RSSI (Received Signal Strength Indicator) は電波の強さ (つまり電波の振幅の大きさ) を示す値です。単位は dBm (デシベルミリワット) です。
大きいほど信号強度が強く、通信を行うのに適している状態です。
WiFi で電波調査等を行うときに使われますが、分かりにくいことにだいたい [ -120 ~ -30 ] の値を使うため、0 に近いほど大きい (= 電波が強い) ということになります。
マイクロソフトは win32 API において [wlanSignalQuality] という無線の接続品質をパーセンテージで示す指標を設けています。
それによると、-100dBm では 0%、-50dBm では 100% となっています。つまり -50dBm 以上であれば全く問題ない、と解釈できるでしょう。
WLAN_SIGNAL_QUALITY is of type ULONG. This member contains a value between 0 and 100. A value of 0 implies an actual RSSI signal strength of -100 dbm. A value of 100 implies an actual RSSI signal strength of -50 dbm. You can calculate the RSSI signal strength value for wlanSignalQuality values between 1 and 99 using linear interpolation.
引用元: https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/win32/api/wlanapi/ns-wlanapi-wlan_association_attributes?redirectedfrom=MSDN
電波が強いのに繋がらないときは SNR を疑う
とても大事なことなのですが、実はネットワークの接続品質は RSSI だけでは語れません。ノイズ (Noise) がある場合は通信を阻害されてしまうためです。
SNR (Signal Noise Rate) とは、「①接続している SSID」と「その他の SSID や Wifi 以外の同一周波数帯の電波」の強さの比率を示しています。(dBm は対数であるため比ではなく差となる)
例えば Android 端末であればフリーアプリ「WiFi Analyzer」を使って電波状況を確認できますが、以下のようになっていたとします。
よく、『電波は強いのに繋がらない』『電波は強いのにプチプチ再接続する』といった場合は、SNR が小さい、つまり電波干渉が起きている可能性が高いでしょう。
一般的な無線コントローラソリューションでは『無線 AP 間で互いに電波を検出し、自動でチャネル調整を行う』といったことができますが、どうも無線クライアントの電波については考慮されないようです。PC は必要な時に電波出力によってデータ送信をしますが、例えば以下のようなケースでは PC の電波が隣の PC に干渉を引き起こす「さらし端末問題」が起こり得ます。
このあたりの詳細については以下も併せてご参照下さい。
RSSI は Windows 右下のアンテナ表示や、スマホ上部のアンテナ表示で視覚的に分かるのですが、SNR については無線コントローラで状態を見たり、現地で電波調査をしてみないと分かりません。(前述の通り、無線コントローラ上では無線 AP 間での電波しか見られませんので、クライアント間の干渉については図のようなケースを念頭に、もう少し現場での実態を見る必要があります。)
これらの事象が起きている場合は「チャネルボンディングを外してチャネル数を増やす」「持ち込みの Wifi ルータやテザリングを停止する」といった対策が考えられます。
RSSI と SNR のベンダ評価基準
RSSI の基準値については、サイトサーベイソフトで有名な [inSSIDer] のメーカ metageek.com と Microsoft が以下の基準を示しています。
RSSI | metageek.com の基準 | Microsoft の基準 |
---|---|---|
評価 | 信号品質 | |
-30 | 非常に強い (Amazing) | - |
-50 | - | 100% |
-67 | とても強い (Very Good) | 66% |
-70 | 強い (Okay) | 60% |
-80 | 弱い (Not Good) | 40% |
-90 | 使えない (Unusable) | 20% |
-100 | - | 0% |
また、SNR については Cisco が wireless-nets.com のリンクを使い、以下のような基準を示しています。
SNR (dBm) | wireless-nets.com の基準 | Cisco の基準 | |
---|---|---|---|
評価 | 一般通信 の推奨値 | 音声通信 の推奨値 | |
40以上 | 非常に速い (lightening fast) | 20 以上 | 25 以上 |
25~40 | とても速い (very fast) | ||
15~25 | たいてい速い (usually fast) | ||
10~15 | ほとんど遅い (mostly slow) | ||
10以下 | 使えない (no go) |
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