サーバのスペック/サイジングはどのように選定する?
サーバを購入するとき、どのように機種を選定すればよいか、初心者にとっては何を手掛かりにすれば分からないと思います。
ここではその手掛かりとなる要素を紹介していきます。
1. サーバを新規に導入する場合
新規に導入する場合、そのサーバを導入する目的があるはずです。
例えば『ウィルス対策ソフトを一元管理するTrendMicro Corpサーバを構築したいんだ!』というのであれば、そのグループウェアソフトにはどの程度のスペックが必要なのかを知る必要があります。
これは物理サーバのハードウェアスペックだけでなく、仮想サーバのサイジングにも使えます。
ポイント:サーバ上で動作させるアプリケーションのシステム要件を調べる
Google等で『TrendMicro Corpサーバ システム要件』で検索しましょう。すると必要スペックの情報が記載されたページに辿り着くはずです。
例えば以下のようなシステム要件が得られます。
メモリ: 2GB以上のRAM
HDD: 7GB以上
これを上回るスペックのサーバを選定すれば OKです。仮想サーバの場合は上記を上回るリソース割り当てをすれば OK です。
Windows の役割・機能を使う場合、確定的な情報は見つかりにくいですが、それでも『Active-directory system-requirements』といった言葉で調査すると、MS のコミュニティ等で有益な情報が見つかるでしょう。
ポイント:ディスクアクセスの性能を考慮する
利用するアプリケーションやミドルウェアで、大人数で利用するファイルサーバやメールサーバ等の頻繁にディスクアクセスが発生するものであればその点の考慮が必要です。
SSD の導入を検討したり、RAID 構成の中で最高性能の RAID1+0 を導入します。
逆に DNS や DHCP 等の CPU とメモリだけで捌けるようなアプリケーション/ミドルウェアであれば SATA の RAID5 等でも十分でしょう。
HDD の性能に関するものは 回転数 (rpm) と転送速度 (GB/s) があります。サーバ用の一般的な SATA の最低ラインであれば回転数=7.2k rpm、転送速度=6GB/s が目安です。
2. サーバをリプレース(更改)する場合
サーバをリプレースする場合は前と同程度のスペックを超えていればよいでしょう。アプリケーションのバージョンアップをするのであればその要件も盛り込む必要があります。
メモリと HDD については比較がしやすいのでそれほど問題ないと思いますが、厄介なのは CPU のサイジングです。
ポイント:CPUの選定方法にはベンチマークという手段がある
CPU はクロック数 (GHz) が大きいと性能が高くなりますが、全体の性能としてはそれ以外にも L1 キャッシュ ~ L3 キャッシュのサイズでも大きく変わります。単純な比較をする 1 つの方法として、『ベンチマーク』があります。
有名どころとしては例えば『PassMark』があります。
CPU 毎に性能が数値化されており、例えば更改前のサーバが PassMark での値が『5,000』であれば、更改後は 5000 以上のものを選定すれば、問題ないという 1 つの根拠になります。
ベンチマークは PassMark 以外にも多くありますので、別のものを根拠にするのもアリです。
その他注意点
アプリケーションのシングルスレッド/マルチスレッド対応
CPU はコア数をたくさん積めば積むほど計算速度があがる、という訳ではないケースがあります。
一番有名なのは SQUID というフリーのプロキシサーバです。
SQUID はそのアプリケーションの作り方 (つまりはプログラミング) がシングルスレッドとなっており、CPU コアを 1 つだけ使って処理するようになっています。
これはつまり CPU コアを 8 コアにしても、SQUID のために使われるコアは 1 つだけなので、無駄になります。
なので OS が使うためのコアを 1 つ用意することを考え、サーバとしては 2 コア割り当てれば十分です。
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