デフォルトゲートウェイとは
デフォルトゲートウェイ (Default Gateway) とは、分かりやすく乱暴に説明すると、『IP 通信したい相手 (宛先 IP) の位置や経路がよく分からないときに、とりあえずパケットを投げる先』のことです。
略してデフォゲと呼ばれます。
もう少し正確に言うと『宛先 IP アドレスが、自身 (PC 等) に設定されているIPアドレスが所属するネットワークアドレスとは異なる場合 (例えば自身の IP が192.168.1.31/24 で、宛先が 192.168.1.0/24 以外の場合) に、パケットをどこに転送すればよいかを設定するもの』です。
以下にデフォルトゲートウェイが必要なケースと不要なケースを示します。
一般的には、端末にはこのデフォゲ以外にスタティックルートを追加しないので、この解釈でほぼ間違いはないですが、もし別途スタティックルートが書かれているのであれば、上記説明の『宛先 IPアドレスが、』の後に『スタティックルートに合致せず、』という一文が入ります。
なのでデフォルトゲートウェイを、用語を使って一言で言うと、『端末のスタティックルートで書かれたデフォルトルート』のことです。
デフォルトゲートウェイの設定
PC やサーバには IP アドレスの設定と一緒に、"デフォルトゲートウェイ" の設定も入れることができます。
Windows の場合、以下の設定画面で設定できます。
⇒ ncpa.cpl ⇒ 該当インタフェースを右クリックし、[プロパティ]をクリック ⇒ [インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)]をクリックし、プロパティをクリック ⇒ [デフォルトゲートウェイ]の IP アドレスを設定
この設定においては、この PC が 192.168.11.0/24 の範囲外の宛先と通信する場合は、パケットを 192.168.11.1 に転送します。
具体的にどのように通信するかについては、以下をご参照下さい。
スタティックルート(固定ルート)の設定とルーティングテーブルの見方
PC はデフォルトゲートウェイ以外にもルート情報を持つことができます。
これを一般にスタティックルート (Static Route) と呼びます。
Windows では『固定ルート』と表示されます。
デフォルトゲートウェイも、スタティックルートの一種です。
Windows ではコマンドプロンプトで以下を打つと、IPv4 のルーティング情報が見れます。
C:¥> route print -4
一番上にある、宛先が 0.0.0.0 となっているのが先程のデフォルトゲートウェイのことで、ゲートウェイ (NextHop) が 192.168.11.1 となっています。
ここが"リンク上"となっているのは、いわゆる Connected のことで、そのネットワークアドレスに所属する何かしらのIPが、自身のPCに設定されていることを示します。
また、コマンドプロンプトの "route add" コマンドにより、端末にルーティング情報を書くことができます (GUI では設定できません)。
なお、この "route add" 設定には再起動は不要です。
端末のルーティング設定に関する詳細は、コマンドプロンプトで"route /?"で確認できます。
Windows でルート追加を行うには、コマンドプロンプトで以下を入力します。
C:¥> route add 192.168.1.0 mask 255.255.255.0 10.1.1.1 -p
これにより、192.168.1.0/24 へのルートのネクストホップを 10.1.1.1 に設定しています。最後の -p の意味は persistent オプションを指しており、再起動してもこのスタティックルート設定を残すオプションです。
削除するには以下を入力します。
C:¥> route delete 192.168.1.0
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