OSPFv2 LSA Type4 のフォーマット
OSPFv2 において使われる LSA Type4 (ASBR Summary LSA) のフォーマットを以下に示します。
LSA Type4 のフォーマットは、Type3 のフォーマットと同一になります。
Age
その LSA が生成されてから現在までの時間 (単位:秒) です。LSDB にいる間 1 秒につき 1 が加算されます。また、LSA が他のルータへ送られる際、"InfTransDelay" の設定値の分だけ加算されます。
Options
詳細はこちらに記載します。
LSA Type
その名の通り、LSA Type を表します。今回は Type4 なので Ox04 が入ります。
Link State ID
外部ルートを再配送したルータ (ASBR) のルータ ID が入ります。
Advertising Router
LSA Type4 を生成したルータ (ABR) のルータ ID が入ります。
Sequence Number
新しい LSA インスタンスが生成されるたびに 1 ずつ増え、全てのルータが 最新の LSA インスタンスを識別できるようにします。
Checksum
Fletcher チェックサムを利用しており、Age 以外の部分の bit エラーが無いかを確認します。
Length
ヘッダ長を含めた LSA 全体の長さ (単位:オクテット) を表します。
Ox00000000
Type3 では NetworkMask だったエリアは Type4 では利用しないため、0 で埋まっています。Type3 とフォーマットを同じにするために敢えてこの領域を設けています。
メトリック
ASBR までのメトリックが入ります。
ToS と ToSメトリック
LSA Type1 と同様です。
LSA Type4 は何をするものなのか?
LSA Type4 の存在意義は、LSA Type5 (OSPF 外にある外部ルート) のメトリックタイプが 1 の場合のみにあります。
メトリックタイプが 2 の場合も生成はされますが、利用はされません。
次のページでも説明しますが、LSA Type5 は伝達する際にコスト加算がされません。それを補うのが LSA Type4 です。
LSA Type5 が生成されたエリア内には、"E" bit が立っている LSA Type1 が存在します。
なので、エリア内ではこのルータ ID までのコストを加算することで、外部ルート (メトリックタイプ 1) のコストを計算することができます。
しかし LSA Type5 がそれが生成されたエリアから他のエリアに伝達される場合、"E" bit の立っている Type1 は伝達できないため、伝達先のエリアでコスト計算ができません。
そこで、ABR は "E" bit が立っている LSA Type1 を元に LSA Type4 を生成し、LSA Type5 と一緒に伝達します (LSA Type5 は何も情報を変えずそのまま伝達します)。
以下の例で、LSA Type 4~5 が生成され、伝搬される様子を示します (LSA Type1~3 の生成については非表示ですが、R4 の "E" bit の立った LSA Type1 だけは表示しています)。
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