【IP Unnumbered】の正しい理解、仕組みや必要性、効果、PPPoE等への適用について

『ip unnumbered = 2台のルータを1台とみなす』は間違い

ip unnumbered 設定を『2 台のルータ同士を 1 台とみなす技術』と説明する人もいますが、これは間違いだと言わざるを得ません

例えば、この ip unnumbered 設定をした後、インタフェース情報を見てもルーティングテーブルを見ても、相手側が保有している情報は見えてこないのも、間違いだという根拠の一つです。

この『2 台のルータ (L3 機器) を 1 台とみなす』技術は古くは Cisco の『VSS (Virtual Switching System)』、昨今ではアライドやジュニパーの『バーチャルシャーシ』という機能に該当するものです。ip unnumbered ではこれを実現できません

では IP Unnumbered とは何者か?

IP Unnumbered の意味は、『point-to-point インタフェースにおいて、別のインタフェースから IP を借用することで、IP 空間を節約する技術』です。これ以外に効果はありません。

ですが、グローバル IP の節約という観点ではとても重宝されます。

この技術は Cisco だけでなく、YAMAHA やバッファロー、FortiGate 等、メーカを問わず使われているものです。

例えば RFC 5309 では以下のように記されています。

The IP unnumbered configuration is widely used in networks. It
enables IP processing on a point-to-point interface without an
explicit IP address. The IP unnumbered interface can "borrow" the IP
address of another interface on the node. The advantages of
unnumbered point-to-point links are obvious in the current IP
addressing environment where addresses are a scarce resource. The
unnumbered interface can also be applied over p2p-over-lan circuits.

これを訳すと以下のようになります。

IP Unnumbered 設定はネットワーク上で広く使われています。それは point-to-pointインタフェース上で、IP アドレスを明示的に振ること無く、IP プロセスが有効となります。IP Unnumberedインタフェースはそのノード上の他のインタフェースから IP を借りることができます。Unnumbered の point-to-point インタフェースリンクのメリットは、IP アドレスが枯渇している現状において明らかです(つまり IP アドレスの節約がメリット)。Unnumbered インタフェースは p2p-over-lan (つまり PPPoE 等)にも適用可能です。

前提知識として、point-to-point インタフェースとは何か、というところですが、これは例えば以下のように、『インタフェースが決まれば、接続先ルータが一意に決まるインタフェース』のことです。

スタティックルートの NextHop 設定時において、(Ethernet 系のマルチアクセスインタフェースと違い、) これらの point-to-point インタフェースは接続先ルータが必ず 1 つなので、NextHop に IP を指定なくてもルートは一意に決まります

厳密に言うと、Ethernet 系のマルチアクセスインタフェースでも NextHop に IP を指定せずインタフェースのみを指定することも可能ですが制限があります。詳細については以下をご参照下さい。

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ちなみに例にある通り、これらのインタフェースは、対向インタフェースとネットワークアドレスやサブネットマスクがデタラメでもルーティング可能です。

なのでこのスタティックルート設定という観点においては、これらのインタフェースの IP 設定は不要なのです。

ですが他の観点として、『IP パケットを受信し、ルーティングするため』にはそのインタフェースで IP が必要になるため、別のインタフェースから IP を借りてくることで、この問題を解決するのです。

これが ip unnumbered による効果なのです。

Ciscoルータの設定例

Cisco ルータでは単純に、Serial インタフェース等の point-to-point インタフェース上で以下コマンドを打てば OK です。

(config-if)# ip unnumbered GigabitEthernet 0/1

指定しているインタフェース GigabitEthernet 0/1 は IP の借り先のインタフェースです。

以下に例を示します。GigabitEthernet 0/1 の IP アドレスは 192.168.1.254/24 ですが、Serial 0/0 の IP アドレスは 192.168.1.254/32 とサブネットマスクが /32 になることに留意して下さい。

また、インターネット接続時の PPPoE + NAT 環境にも応用できます。詳しくは以下をご参照下さい。

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