StaticルートのNextHopにインタフェースのみを指定する
Static ルートの設定において、NextHop は IP アドレスか出力インタフェースのどちらかを指定します。
シリアルインタフェースや PPPoE の論理インタフェース (Cisco だと Dialer インタフェース) の Point-to-Point インタフェースの場合、NextHop は出力インタフェースを指定すれば行先は 1 つに定まりますので、NextHop の IPアドレスは不要です。
なお、補足ですが、Point-to-Point インタフェースは ARP を使わないので、/32 の IP アドレスや ip unnumbered の設定 (結果やはり /32 の IP アドレスになる) が可能なのです。対向ルータとはセグメントやサブネット長を揃えるがありません。
一方、NextHop のインタフェースが Ethernet (Fast, Giga, Ten-Giga 含む) のマルチアクセスインタフェースの場合、通常は NextHop としては IPアドレスを指定します。
なぜなら、Ethernet の場合はスター型のため、もし NextHop をインタフェースに指定した場合、行先が複数あり、1 つに定まらないからです。
ただし、設定が出来ないかというと、可能です。例えば、
(config)# ip route 10.1.0.0 255.255.0.0 interfacce GigabitEthernet 0/0
このように設定すると、Static ルートにも関わらず、10.1.0.0/16 が GigabitEthernet 0/0 に直結 (Connected) したものと見做されます。
# show ip route S 10.1.0.0/16 is directly connected, GigabitEthernet 0/0
例えば先程の例の構成で、Router-A にこの設定がされた場合、Router-A は宛先が 『10.1.1.1』や『10.1.2.254』のパケットを受信した場合、GigabitEthernet 0/0 から ARP Requestを送信し、『10.1.1.1』や『10.1.2.254』のアドレスの MAC アドレスを調べます。
もし 10.1.1.0/24 のセグメントが直結する Router-B において、ProxyARPの設定がされている場合、Router-B は ARP に応答しますので、通信が可能です。
一方、もし10.1.2.0/24 のセグメントが直結する Router-C において、ProxyARP が設定されていない場合は、ARP 応答しませんので、通信は不可です。
なお、この設定をするのは ARP テーブルが無駄に肥大するため、推奨されません。(特にデフォルトルートは危険です)
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