OSPFv2 LSA Type2 のフォーマット
OSPFv2 において使われる LSA Type2 (Network LSA) のフォーマットを以下に示します。
LSA Type2 はマルチアクセスネットワークを擬似ノードとして表現します。
Age
その LSA が生成されてから現在までの時間 (単位:秒) です。LSDB にいる間 1 秒につき 1 が加算されます。また、LSA が他のルータへ送られる際、"InfTransDelay" の設定値の分だけ加算されます。
Options
詳細はこちらに記載します。
LSA Type
その名の通り、LSA Type を表します。今回は Type 2 なので Ox02 が入ります。
Link State ID
Type2 の場合は DR のインタフェースの IP アドレスが入ります。
Advertising Router
その LSA を生成したルータのルータ ID が入ります。
Sequence Number
新しい LSA インスタンスが生成されるたびに1ずつ増え、全てのルータが 最新の LSA インスタンスを識別できるようにします。
Checksum
Fletcher チェックサムを利用しており、Age 以外の部分の bit エラーが無いかを確認します。
Length
ヘッダ長を含めた LSA 全体の長さ (単位:オクテット) を表します。
Network Mask
そのネットワークのサブネットマスクを表現します。Link State ID の IP アドレスと組み合わせて ルーティング情報として伝達すべき NW アドレスが算出できます。
Attached Router
そのマルチアクセスネットワークに直結しているルータのルータ ID が入ります。
LSA Type2 は何をするものなのか?
この LSA Type2 ですが、単純に LSA Type1 にマルチアクセス環境でのネットワークアドレス情報を乗せれば LSA Type2 は不要なのではないか、と思われるかもしれませんが、実はその通りです。
ただし、LSA Type2 を導入することで、計算量の抑制が可能なのです。
コスト計算を行う際、リンクの数の分だけ計算をする必要がありますが、そのリンク数を抑制することができるのです。
以下の例をご覧下さい。この例ではマルチアクセス環境にルータが 6 台直結する場合を考えます。
左が擬似ノードの無い場合、右がある場合です。赤線がコスト計算すべきリンクです。
擬似ノードが無い場合はリンク数が 6C2 = (6*5) / (2*1) = 15 となります。
一方、擬似ノードがある場合はリンク数は 6 で済みます。
もちろん、ルータが 2 台だけの場合は逆に増えてしまうのですが、ルータ台数の増え方に対する計算量の増え方のほうが大問題です。(30 台繋がったら擬似ノード無し⇒リンク数 435、擬似ノードあり⇒リンク数 30)
もちろん、擬似ノードのリンクコスト (メトリック) は全て 0 になります。
このように、LSA Type2 の存在意義はコスト計算量の抑制にあります。
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