スイッチングは自動でMACアドレステーブルを学習することで出来ましたが、 ルーティングは基本的にはネットワーク構成を検討し、設計者なり管理者なりが 手動で設定を入れる必要があります。
スタティックルーティングとダイナミックルーティング
ルーティングの設定の仕方は2種類あり、1つがスタティック・ルーティング、 もう1つがダイナミック・ルーティングです。
スタティックルーティング
スタティックルーティングは、NW機器1つ1つに、『10.0.0.0/8はインタフェースAから送信』 『192.168.0.0/24はインタフェースBから送信』等と宛先1つ1つを設定投入していく必要があり、 細かいネットワークが散在するような大規模ネットワークには不向きです。
また、ダイナミックルーティングのように動的に変化しないため、冗長構成を組むのが基本できません。しかし、動的に変化しない、というのは安定して動作する、というメリットがあります。
ダイナミックルーティング
ダイナミックルーティングは、NW機器自体が持っているルーティング情報をルーティングプロトコル によりNW機器間で伝達していきます。
ダイナミックルーティングの概要
ダイナミックルーティングプロトコルにはRIPやOSPF、EIGRPなどの種類があります。 設定方法は似ていて、NW機器のインタフェースでルーティングプロトコルを有効化すると、そのインタフェースからルーティングプロトコルのパケットを発出し、そのパケットの中にインタフェースのNWアドレスと、他のルータから学習したNWアドレスを乗せて伝播していきます。
伝播されるNW機器側では、受け取るインタフェースで同じルーティングプロトコルが有効化されている必要があります。
RIP version2の場合、パケットを受け取ると、パケットの中のネットワークアドレスのNextHopを、RIPパケット中に存在する NextHop FieldのIPアドレスに設定します。(多くの場合、IPヘッダの送信元IPアドレスFieldと同じになりますが。) また、ネットワークアドレス1つ1つにmetric値が付属しており、他の経路から情報を受け取ったとき、どちらのほうが 近いかを判断できるようになっています。
OSPF や EIGRP も似たような動作になりますが、OSPF は地図を作るためにもっと細かい情報を送ったり、 EIGRP はメトリックの考え方が異なります。
ダイナミックルーティングの種類とそれぞれの特徴、使い分けについては以下ページも併せてご参照下さい。
コメント