MACアドレスとIPアドレスの役割の違い、なぜ2つ持つ必要性があるのか?

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MACアドレスとIPアドレスはなぜ2つ必要?

ネットワークを勉強する人の中で、この疑問にぶち当たった人は多いのではないでしょうか?

Ethernetヘッダには宛先MACアドレスがあり、IPヘッダには宛先IPアドレスがあります。これらは2つ必要なのでしょうか?

答えはYES

まず、宛先IPアドレスが必要なのは分かりやすいでしょう。MACアドレスはベンダが自由に割り振るアドレスなので、IPのように、場所に紐付いたセグメントという概念がありません。それゆえ、どの場所にどのMACアドレスがあるか、というルーティングの設定をするのは現実的に不可能です。

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では宛先MACアドレスはIPアドレスに統合できないの?という話になります。

L2スイッチも、MACアドレステーブルの代わりに、IPアドレスとインタフェースを紐付けるテーブルを使えばいいじゃん!と。

が、これも以下の2つの理由でできません

理由1. IPヘッダにはNext Hop Addressの情報が無い

IPパケットヘッダにはNext Hop Address (クライアントで言うデフォルトゲートウェイのアドレス) の情報がありません。このNext Hop Addressの宛先アドレスを示すのがEthernetヘッダの宛先MACアドレスなのです。これが無いと通信にどのような不具合が出るのでしょうか。

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例えばシリアルインタフェースのようなPoint-to-Point接続でNW機器と接続する構成であれば、出力インタフェースを指定すれば行先は一意に定まり問題ないのですが、Ethernetのようなスター型接続の場合は出力インタフェースを定めても行先が一意に定まりません

そのため、通常はNext Hop AddressをARPでMACアドレスへと解決し、そこを宛先MACアドレスとしてEthernetで送信する動きになります。つまり、Next Hop Addressの情報を、Ethernetの宛先MACアドレスが保有しているのです

しかしここでEthernetを使わない想定をすると、Next Hop Address 情報が無いわけですから、出力インタフェースは判別できるものの、L2スイッチはブロードキャストせざるを得ません。しかも、受信したNW機器も、どの機器がそのパケットを受信し転送すべきか不明なので、同一セグメント内の全ルータが転送しなければなりません。それが1ルートだけならいざ知らず、冗長化のために複数ルートある場合は複数のパケットが転送されていくことになります。しかもこれが1ホップ毎に増えるので、最終的には1パケットがドえらい量のパケットになる可能性があります。

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じゃあIPヘッダにネクストホップアドレスの情報含めればいいじゃん!むしろなんで最初から付けてないんだデコ助!となります。

でもそれもやはり無理なんです。

理由2. そもそもIPはEthernetありきじゃない

もしIPがEthernetと同時に生まれ、それ以外の伝送メディアが存在しなかったら、あるいは実現したかもせれません。

今でこそIPをEthernetで運ぶのは当たり前ですが、昔はそうではありませんでした。Ethernet以外にも様々なL2プロトコルが存在していました。デジタルアクセスやPPP、Frame-relay、ATM等です。

これらの中にはEthernetが10Mbpsしか出なかった時代で、高速通信を実現するものもありました。デジタルアクセスやPPPではPoint-to-Pointo接続のため、NextHop情報は出力インタフェースのみでOKでしたし、Frame-relayやATMはMACアドレスではなく他のL2アドレス情報を使っていました

しかし様々なプロトコル(伝送メディア)があることにより、ルータはそれらに対応する必要があり、コストがかかっていました。そうした中でEthernetが主流になってくると、Ethernetを応用としたPPPoE、Ethernet接続を集約するL3スイッチなどが登場し、Ethernetのインタフェースを量産しコスト削減する動きが出てきました。

こうした流れでEthernetは今のポジションを確立したのです

というわけでIPはEthernetありきではなく、Next Hop Addressの情報なんてものも必須ではないL2プロトコルもあったのでIPヘッダには含まれていないのです。

そして今後IPの規格を改変してまでNext Hop Address情報を含めるか、というと難しいでしょう。L2が全てEthernetにならない限りはできないし、現在稼働しているNW機器に影響を与えずに移行しなければならないのですから、莫大なコストがかかってしまいます。そこまでして実施する理由にはなり得ないのです。

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